御曾曾けいのログ

ただの老いた人間です。

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彼氏の胃袋がつかめない

自炊は面倒くさいです。特売のチラシのチェックから始まり、それに合わせての買い出し、そして調理、後片付け……時間泥棒にもほどがあります!
それでも自炊をするのは、外食よりも安く済むから。決して自炊が楽しいからではありません。むしろ嫌いなほうです。


そんな私が作る料理を食べる恋人からの評価は4段階に分けられます。「美味しい」「まぁまぁ」「食べられる」「苦痛」です。最近はなんでか上手くいかず、彼に苦痛を与え続けてしまいました。

 

おいくら

好みが合わない2人


自炊 恋人 喧嘩

同棲中の彼は家事ができません。その欠点を補うように私が人並みの家事をこなせるので、我が家は完全に仕事と家事を分けています。


破れ鍋に綴じ蓋の関係なので上手くいっている……と思っていたら、「最近ご飯の打率が下がっている」と彼よりクレームをうけました。
私の料理は、レシピサイトを参照、調味料は基本的に測りを使用しています。なのでゲテモノレベルにはなりません。私は口にできているので食べられるものは作れているはず。

ならば、選んだレシピが悪かったのだと考え、料理家のレシピに限定して作っても「微妙」と言われたので八方ふさがりとなります。

 

元々、味覚が合わないことは感じていました。オムライスを作ると彼はライスに味がついているにもかかわらず、ケチャップを殺人現場かよってぐらいかけます。私がぶよぶよしてまずいと感じた鶏肉を彼は美味しいと言います。
どちらかに好みに合わせるとどちらかが不満に思う。終わらないシーソーゲーム状態です。

 

調理段階で彼に味見してもらうことで対処できるものもありましたが、そもそものレシピが良くないと詰みます。
美味しいものが食べたい。その1点のみの要望を叶えたくても、その美味しいものが分からない。私の味覚が頼りにならない以上、彼の感想だけが頼りなのにその感想がピンとこない表現ばかり……。

 

いくら自分の仕事といえど、トライアンドエラーが続いて料理がますますストレスになった私。ご飯を楽しみにしている彼もストレス。
2人のモチベーションがどんどん下がっていきます。

褒めることの重要性

自炊 恋人

「まずいものを食べるのはストレス。食べると胃がキューっとなる」
そう訴える彼の気持ちを真剣に受け止め、今後のことを考えます。

 

お惣菜に頼るのが手っ取り早いけど、金銭面を考えると現実的ではない。
そこで、まずはマイナスにまで下がった私の料理のモチベーションを水準まで上げることを目標にしました。

 

そのために、彼には美味しかったら美味しいと言ってほしいとお願いしました。それにより成功と失敗をハッキリさせます。褒めてもらうことが喜びへと変わり、次へとつなげるのが狙いです。

ここで重要なのが、新しいレシピを無理に探さないことです。今までは飽きがこないよう毎週いろいろなサイトのレシピを参考にしていましたが、この手あたり次第の行動がよくありませんでした。これは自分で地雷を踏む確率を上げる行為です。

 

褒めてもらえたレシピは月に数回出しても大丈夫。好みのものなら比較的何度も食べられるようです。そのことに気づいたことで2人の間に入った溝を少し埋めることができました。

 

仲良く人生を共にするには歩み寄りが大事。自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを受け止める。「美味しい」のたった一言でお互いハッピーになれるんですから、料理は愛情といわれるのも納得です。

 

おいくら

肉体を求める少女と少年。もがきながら生きる姿を描く『うみべの女の子』

今回紹介する漫画は、恋を知らずにセックスした少女と少年の物語、作・浅野いにお『うみべの女の子』です。

 

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恋とも呼べない、未完成な心「うみべの女の子」

海辺 女子高生

本作は、佐藤小梅と磯部恵介の2人がメインのお話です。2人は互いの心を埋め合うためにセックスしますが、一向に満たされないまま時間だけが過ぎていきます。好きという感情だけが抜けた行為だけが続いていき、徐々にお互いの心が見えなくなっていくのです。

恋というのは、一般的には“好き”という感情から始まるのではないでしょうか。

 

「好きだから一緒にいる」「好きだから付き合う」

 

しかし『うみべの女の子』には、それが存在しません。

主人公の佐藤小梅と同級生・磯辺恵介は、まだ未成熟な中学2年生。
本来なら初々しい年齢のはずですが、この2人は早熟で、そして未熟な子どもでした。

 

憧れの三崎先輩にオーラルセックスを求められたことにショックを受けた小梅は、1年生の時に告白をしてきた磯辺にセックスを求め、心の隙間を埋めようとします。

そして、まだまだ小梅に対して「好き」という感情を持っていた磯辺は、小梅からの求めを受け入れます。しかし、まだ三崎先輩への未練があった小梅は、磯辺からのキスを拒みます。

 

小梅は、三崎先輩への幻想が捨てきれず、「付き合ってほしい」と三崎先輩にお願いをします。しかし、彼からは「オーラルセックスをしてくれたら少しは好きになる」と言われ、再び傷つき、その傷もまた、磯辺とのセックスで癒すのです。

進級し中学3年生になっても肉体関係は続きます。まるで渇望するかのようにエスカレートしていくのに心は空っぽのままでした。

 

年端もいかない少女と少年が、好きになるよりも先にセックスをする。
その順序を飛ばした、世間的に言うならば“不純な関係”が、ストーリーのエッセンスとなっています。

紙の中の世界は読者のいる現実世界

「大人の行為に手を出しても、日常は何も変わらない」。

 

その現実は、常に何かを期待してしまう思春期の中学生にとって残酷な世界でしかありませんでした。

読者側と、何ら変わりの無い日常が広がるその世界。そのリアリテイーが、登場人物の心へと繋がっていきます。

 

安易にセックスに手を出した小梅、そして求められたから応じた磯辺。
流されるように起こした行為は、2人の距離を縮めるものではありませんでした。

欲情と感情がきれいにそろわない不完全さは、現実世界の男女と同じです。
フィクションとは思えないほど身近に感じられるストーリーとキャラクターに、シンパシーを感じられます。

セックスのみでしか、満たされる方法を知らない子ども

本作の表紙(最下部参照)は、寒色系の色が混じり合った繊細な色合いとなっています。しかし対象的に、中身は濃厚なセックスシーンのオンパレードです。

 

好奇心旺盛な中学生では片づけられない絡み合いは、とても人前で読めるものではないほど過激です。
上記のオーラルセックスは序の口で、自慰鑑賞、ア○ルセックスと欲求のままに、行為はさらにエスカレートしていきます。

 

そこには快楽もあるかもしれませんが、埋まらない心をセックスで満たそうとする危うい心が常にともないます。そして、小梅自身も、その“おかしさ”に気付いていて、こんな言葉をこぼします。

 

「してもしても何か足りない気がするのは なんでだと思う?」

(『うみべの女の子』 第2巻 第14話p74.より)

セックス 男女

愛し方も愛され方も知らない小梅と磯辺の不器用さ。それは、経験不足な子どもそのものです。
分からないなりに理解しようとし、もがきながら相手に近づこうとする姿は「青春」といえるのかもしれません。

 

 

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読書の快感を私は知っている

読書家というほど小説を読んではいませんが、私は活字が大好きです。子どもの頃は本の虫を自称するほどでした。
大人になると読書頻度はぐんっと下がったものの、完全には活字離れしていません。今後もつかずはなれずな趣味でいる予感がします。

 

なぜかというと、活字の快感はずっと覚えているものだからです。

 

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大人の読書

読書家の友人が身近にいなかったので、分厚い小説を読む私を周りは「すごいね」と褒めました。
その度に「漫画は読むのになんで小説は読まないんだろう」と何度も不思議に思ったものです。フィクションで、少年少女が活躍して、ハラハラドキドキするストーリーは小説も漫画も同じなのに……。

読書

その答えは社会人になった時に分かりました。
読書には“想像力、記憶力、集中力”の3つの力が必要になります。頭の中で物語をイメージして、文章に沿って頭の中で展開させるのにはかなりの力がいります。
大人になって私はこの3つの力の衰えを感じました。自由な時間も昔に比べると格段に少ないです。そして、たまった疲労を一晩で回復させないといけないので、おのずと読書の優先度は下がっていきます。


その点漫画は、気軽に楽しめる娯楽そのものです。
漫画は絵の情報が強く、イメージの負担がないのが強みです。こればっかりは小説に勝ち目はありません。絵も文字もそろってるなんて強すぎますよ。


活字離れといわれたら納得してしまう私ですが、短所は長所だとも思っています。

小説の魅力もそこにあるのです!

活字の快感に溺れた経験

読書

小説の魅力はイメージを膨らませることにあります。文字だけの情報から頭の中でイメージするのとてもは大変です。でも、同時にとんでもなく楽しい作業なんですよ。


見たことのない生き物を目にした時、食べたことのない料理を口にした時、美しい音楽を耳にした時、それを想像しながら読んでいくと、いつの間にかそれはキャラクターの体験から自分の体験へ錯覚していきいます。感情が激しく揺さぶられる作品だと、キャラクターと自分が同化してしまう時があるほどの体験になります。


面白い作品というのはすべからく見たことのないものを見せてくれるものです。手に汗握るストーリーに出会った時の衝撃、読み終えた時の気持ちのいい脱力感。「気持ちいい」の一言に尽きます。

気持ちよくなりたいので私は小説から一生離れられられません。活字の快感に溺れた経験が忘れられないのです。

 

読書をしたいけど何を読んだらいいか分からない。そんな風に迷ったら、自分が主人公になった時にどういう体験を味わいたいかで、本を探したり、あらすじを読んでみてはいかがでしょうか?

きっとあなたにピッタリの本が見つかると思います。

 

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奇跡、純情、性欲…実の兄妹の恋愛に向き合う漫画『恋風』

今回紹介する漫画は、実の妹を好きになり、実の兄を好きになった兄妹の物語、『恋風』です。

 

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一目ぼれの相手は妹―兄妹の中に芽生える衝動『恋風

彼女に振られ気分が沈んでいた佐伯耕四郎。彼の生活を、楽しいものへと変えたのが、十数年ぶりに再会した妹の小日向七夏でした。

 

過去に兄妹として、一緒に過ごした妹・七夏。しかし耕四郎は、再び会った七夏のことが、なぜか妹としてみることができなくなり、気持ちを抑えきれずに惹かれていってしまいます。

兄妹

血の繋がった正真正銘の兄妹。2人は、偶然にも失恋したばかりでした。しかしそれはあくまでも、きっかけのひとつでしかなかったでしょう。

好きになってはいけないと分かっていても、常識や理屈では片付けることができない感情があふれだす“恋”。
人を好きになる。その純粋な気持ちを『恋風』では描いています。

耕四郎が出会った女子高生は……

なぜ、耕四郎と七夏は兄と妹でありながらも、恋に落ちていくのでしょうか。それは物語の冒頭に起きた奇蹟から始まります。

 

桜が咲く季節。しかし、主人公・佐伯耕四郎は彼女に愛想を尽かれ、振られてしまいます。
味気ない毎日が続いていくある日、駅のホームで定期入れを落とした女子高生に出会ったことにより転機が訪れます。

耕四郎が声を掛けると、無邪気な笑顔で振り向く女子高生。2人の間に風がひと吹き、桜の花びらを運びます。
たった一瞬の出来事なのに、耕四郎は目を奪われたのです。

 

その後、ひょんなことからその女子高生と再会し、遊園地に行くことに。

観覧車の中、その女子高生は卒業前に好きな人に告白をして振られたことを話します。
貰ったボタンはきっと第二ボタンではないから、捨ててしまいたいという彼女に、耕四郎は「まだ好きなのだから捨てるな」と言います。

そして耕四郎は、同時にまっすぐに人を好きだと言える、彼女の純粋な気持ちを心の底から羨み、涙が溢れだす。
それを見た彼女は、そっと耕四郎の頭を撫でるのです。

観覧車から降りると2人の目の前に、1人の男が現れます。その男を見た2人は、それぞれにこう呼ぶのです―

「親父」「お父さん」

 

女子高生の名前は、小日向七夏。離婚して母親に引き取られた、耕四郎の実の妹だったのです。こうして偶然に再開した2人。
七夏の高校入学を機に2人は再び兄と妹として、一緒に住むことになります。

 

しかし、10年以上の空白は、耕四郎と七夏を普通の兄妹ではいさせてくれませんでした。

真っ向から描かれる近親相姦の描写に目を背けたくなる時もありますが、それでも最後まで見届けたくなるほど“好きになる気持ち”が強く伝わってきます。
公にできない関係は時にスパイスとなりますが、誰にも祝福をしてもらえない悲しさも秘めています。そして、いつの間にか耕四郎と七夏を応援してしまいたくなります。

兄と妹、そして男と女

兄と妹の恋愛を描いた作品は、これまでも数多くありました。しかし、『恋風』では血が繋がっていることをしっかりと明記し、さらに耕四郎をしっかりと“男”として描いている点が魅力です。

 

1巻で別れた元カノと再会するも、既に新しい彼氏ができた彼女は、サラッと、あっさり耕四郎にバイバイをつげます。
最後の性行為から3ヶ月近く経ち、淡い期待を抱いていたのは耕四郎だけでした。

元カノの気持ちの変化、そして期待していたにも関わらず叶わなかった性行為。耕四郎は、この2つのこともあり、脱衣所で七夏のブラを見つけ、性欲が弾け飛んでしまいます。彼は、七夏のブラを、手にとり匂いを嗅ぎ、あまつさえ自慰のネタにさえしてしまうのです。

 

実の妹の下着の匂いをを嗅ぐ、なんてことは、本来だったらあり得ないことではないでしょうか。
不完全燃焼で終ったところに下着が落ちていても、妹のものであれば理性が働くはず。しかし、耕四郎は抑えきれませんでした。

「お兄ちゃん」と呼び慕う七夏への耕四郎は汚い欲情。
男と女の関係であれば健全な気持ち欲望。

本作では、罪悪感と自己嫌悪に苛まれる、“男”の姿をしっかりと描いています。

幸せな未来を描けない関係

血の繋がった妹でなければ、未来は明るかったかもしれない。
その壁が、近親相姦を扱った作品の一番のスパイスです。
高1の七夏はともかく、28歳の耕四郎は立派な大人です。

 

理性があるはずの大人が15歳の少女に振り回される。
恋をしただけで理性が崩壊し、タブーに踏み込んでしまう「好き」という感情の影響力は計り知れません。
その大きな力は、たとえ踏み込んではいけない領域だと分かっていても、歯止めがきかなかったのです。

兄妹 近親相姦

好きになった相手が、たまたま妹・兄だった――。

ただそれだけの話です。2人は耕四郎として、七夏として、お互いを好きになっただけにすぎません。耕四郎と七夏は、感情のままに突っ走ることが許されない、茨の道を進んでいくのです。

 

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公園のベンチにハンカチは敷かない

昔ながらの淑女の行動に、公園のベンチに座る時はハンカチを敷くというものがあります。

ハンカチは自分で敷く場合もありますが、男性が自分のハンカチを使い、女性へ敷いてあげるシーンは、かつての紳士にとっては気が利く行動のひとつでした。

しかし、これらは昭和のイメージが強く、平成の今はマイナーな気遣いのように思われます。

公園のベンチは外にさらされており、さらに不特定多数に使用されるために汚れが気になるという女性にとって、ハンカチを差し出すのは、悪い行動ではないでしょう。それなのに、平成の時代に見られない光景となってしまったのは、これが“過剰な”レディファーストに見られるようになってしまったからではないでしょうか。

 

おいくら

レディファーストにも良い悪いはある

レディファーストの文化は、日本では浸透しているとは言い難いように思えます。男女平等の世の中だからかもしれませんが、私の目からは男性のみならず、女性もレディファーストに慣れていないように見えます。

ハンカチ

しかし、女性はレディファーストに対して「嬉しい」という感情を持つ人は少なくありません。事実、「重い荷物は持つ」「階段やエスカレーターは男性が女性の後ろに立つ」など、さりげない気遣いは喜ばれます。しかし、それらと比較すると、ベンチに座る際にハンカチを敷くというのは、少し大げさに感じる行為のようです。

レディファーストよりも気遣いのほうが喜ばれる

レディファーストを見て、自分のことは自分でやればいいのにと思う私でも、浴衣を着て地べたに座らなければいけなくなった時、持参したタオルを敷いてくれた相手にはひたすら感動を覚えました。

相手は女友達で、ロマンチックなムードは欠片もありませんでしたが、それでも浴衣の私を気遣ってくれた友達の優しさは、たまらなく嬉しかったなと思いました。

露骨なエスコートよりも、さりげない優しさのほうが喜ばれるのはレディファーストも同じです。

レディーファースト

ベンチでは大げさに感じても、地べたならハンカチを敷く場面としては自然。浴衣や白い服のように、女性が汚れたら嫌だという思う服を着ていた時に、ハンカチやタオルを貸してあげると、効果的なアプローチになるかもしれません。

相手に気遣っていると悟られてしまっては、その気遣いはかえって重荷となってしまいます。大げさにやった結果、せっかくの気遣いも、無意味になってしまう可能性があるわけです。さりげない気遣いこそ、その優しさが伝わり、心が温まるのです。

 

おいくら

20年の片思い…三十路女の恋意地マンガ『こいいじ』

今回紹介するのは、20年もの間、たった1人の幼なじみに片思いする女性を描いた漫画『こいいじ』です。

 

主人公・大原忠実は、生まれた時からずっと一緒だった幼なじみ・赤井聡太がずっと好きで、諦めきれずにいます。いつまでもしがみつく、彼女の“恋意地”を『放浪息子』で名を馳せた志村貴子が描きます。

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終わらない片思い

片思い

大原忠実(以下、まめ)は中学生の時に片思い相手だった・赤井聡太に告白するも振られます。やがて、高校生になってからも思いは変わらず、聡太に彼女がいるにも関わらず、再び告白。聡太からは「ありがとう」と言われてしまう始末です。

 

しかし、まめが成人した頃、聡太は高校時代の彼女と別れていました。そして、迎える成人式。まめは、聡太に呼び出されます。

思わず期待するまめ。しかし、聡太の口から出た言葉は「子供ができたから結婚する」。まめの恋は完全に終わりを告げるのです。

ところが、聡太の妻・春子は娘の優を生んでしばらくして亡くなります。やもめとなった聡太に、まめはいけないと思いながらも可能性を感じてしまうのです。

 

本来であれば結婚の報告を聞いた時点で終わった恋であったのに、ずっと引き続けるまめの恋。告白し、振られたにも関わらず終わりが見えないというのは、非常に厄介な片思いです。しかし、20年という年月は伊達ではありません。亡くなった春子と同じくまめも聡太のことを深く愛していました。

 

片思いから始まる恋愛漫画は数多く存在していますが、まめのように人生の大半を片思いに費やすヒロインは珍しいかもしれません。まめの恋は不毛に思える部分もありますが、だからこそ応援したくなってしまいます。

片思いはまめだけではない

片思い

聡太を諦めようと実家を出て一人暮らしをした矢先、まめの家の面倒を見てくれた不動産屋の河田が登場します。河田はバツイチで、離婚してからはずっと独り身の人でした。

 

心機一転新生活を始めようとしていたところに舞い込んできた新たな出会い。少しずつ惹かれつつあった河田は、まめの20年の片思いを知りながらも自分の気持ちを伝え、まめのほうもそれを受け入れます。

けれども、2人の前に立ちはだあるのがまめの片思いです。20年分の気持ちは簡単に消し去れるものでなく、まめの心の中にはしぶとく聡太への気持ちが残っていました。

本作の登場キャラクターそれぞれが報われない恋をしています。好きな人が別の好きな人だった。理解はできても心が拒否する、まめの姿を見ると恋愛の難しさを考えてしまいます。

 

まめの恋がどんな結末を迎えるのか。ぜひ、読んで見届けてください。

 

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天才の脅威、凡才の前に立ちふさがる壁『アイシールド21』第3回〜ライバル校編〜

前回に引き続き、アメフト部で活躍する高校生たちを描いた漫画『アイシールド21』を紹介します。今回は、主人公がいるチーム“泥門(でいもん)デビルバッツ”とライバル関係にある『ライバル校編』です。

ライバルチームに共通するもの。そこには本作の根幹にあるテーマがあります。

 

いじめられっ子からヒーローに…「アイシールド21」第1回〜主人公編〜 - 御曾曾けいのログ

部員2人の弱小部から、注目のチームへと進化「アイシールド21」第2回〜泥門高校編〜 - 御曾曾けいのログ

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真のエースと虚構のエースがいる“王城ホワイトナイツ”

アメリカンフットボール

主人公・セナのライバル・進清十郎の所属するのが“王城ホワイトナイツ”です。

 

進は高校アメフト史上最強最速のランニングバックといわれ、セナが初めて勝ちたいと思った相手です。セナに劣らないスピードをもちながら、ストイックに練習に励んで技を磨いていくことから“自身の才に溺れない男”として描かれます。

 

しかし、作中でエースとしてもてはやされているのが、進と同い年の桜庭春人です。アイドル事務所に所属する桜庭は、背が高くて顔もイケメン。毎試合大勢の女性ファンが集まります。テレビ局もアイドルを兼ねているアメフト選手ということで注目し、王城のエースはいつの間にか桜庭となっていたのです。

アメフト選手としては桜庭の実力は進と比べると雲泥の差。身長はありますが、それ以外の長所がないに等しく、試合中での活躍は皆無でした。それにもかかわらずファンは「自分の中の桜庭像」を通して彼を見るため、会場には黄色い歓声が絶えないのです。

 

桜庭がエースとしてもてはやされている中、進は黙々と練習をこなし、力をつけていきます。他人の評価に関心がない彼は、桜庭に対して怒りも励ましもしません。

桜庭は進が本当のエースだと気づいています。そして「練習をしても試合に結びつかないこと」「力のない自分がエースといわれること」が、桜庭に自分が凡才である現実をつきつけます。天賦の才をもつ努力の天才の進が桜庭の前に立ちふさがります。

 

また、彼のように才能に苦しめられるキャラクターがいる一方で、それを受け入れるキャラクターもいます。

 

関東最強、“神龍寺ナーガ”の金剛兄弟

関東大会で無敗を誇るチームが“神龍寺ナーガ”です。ここには凡才の努力を潰してしまう真の天才・金剛阿含(こんごうあごん)がいます。

作中では「100年に一人の天才」と称される彼。本作屈指の実力をもち、練習をせずとも、チームを勝利へと導くことから“自身の才に絶対の自信をもつ男”として描かれます。

 

そんな阿含の傍にいるのが、彼の双子の兄・金剛雲水です。

鋭い洞察力と巧みなテクニックをもつ彼は選手として一流のレベル。しかし、悲運だったのはすぐ傍に天才・阿含がいたことです。子供の頃から常に比べられて、何をしても阿含の二番手。彼自身の努力は阿含の才能の前では霞んでしまいました。

 

ですが、そんな腐ってしまいそうな環境でも雲水は自分を持ち続けます。

早くから現実を受け入れた雲水は自身を磨きつつも、阿含を最強の選手にするべく力をそそぎます。1番は阿含、自分は2番目の人間として人生を歩むのです。

凡人の努力

努力

凡人という檻の中で必死にもがく桜庭、そして自分の力量受け入れる雲水。天才を前に、2人は正反対の姿を見せます。

 

本作には他にも多くの天才が登場します。圧倒的な力を見せつける天才たちを前に、凡人たちは格の違いを嫌でも感じます。それでもその背中に追いつこうと、血のにじむような努力をするのです。

 

才能には叶わない。そう思いながらも、努力をやめない凡人たち。彼らが向かうのは、天才の先にある「勝利」なのです。

生まれ持った才能に努力が勝つ。そんな熱い展開が待ち受けているのが本作の魅力であり、作品のテーマといっていいでしょう。

 

 

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