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奇跡、純情、性欲…実の兄妹の恋愛に向き合う漫画『恋風』

今回紹介する漫画は、実の妹を好きになり、実の兄を好きになった兄妹の物語、『恋風』です。

 

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一目ぼれの相手は妹―兄妹の中に芽生える衝動『恋風

彼女に振られ気分が沈んでいた佐伯耕四郎。彼の生活を、楽しいものへと変えたのが、十数年ぶりに再会した妹の小日向七夏でした。

 

過去に兄妹として、一緒に過ごした妹・七夏。しかし耕四郎は、再び会った七夏のことが、なぜか妹としてみることができなくなり、気持ちを抑えきれずに惹かれていってしまいます。

兄妹

血の繋がった正真正銘の兄妹。2人は、偶然にも失恋したばかりでした。しかしそれはあくまでも、きっかけのひとつでしかなかったでしょう。

好きになってはいけないと分かっていても、常識や理屈では片付けることができない感情があふれだす“恋”。
人を好きになる。その純粋な気持ちを『恋風』では描いています。

耕四郎が出会った女子高生は……

なぜ、耕四郎と七夏は兄と妹でありながらも、恋に落ちていくのでしょうか。それは物語の冒頭に起きた奇蹟から始まります。

 

桜が咲く季節。しかし、主人公・佐伯耕四郎は彼女に愛想を尽かれ、振られてしまいます。
味気ない毎日が続いていくある日、駅のホームで定期入れを落とした女子高生に出会ったことにより転機が訪れます。

耕四郎が声を掛けると、無邪気な笑顔で振り向く女子高生。2人の間に風がひと吹き、桜の花びらを運びます。
たった一瞬の出来事なのに、耕四郎は目を奪われたのです。

 

その後、ひょんなことからその女子高生と再会し、遊園地に行くことに。

観覧車の中、その女子高生は卒業前に好きな人に告白をして振られたことを話します。
貰ったボタンはきっと第二ボタンではないから、捨ててしまいたいという彼女に、耕四郎は「まだ好きなのだから捨てるな」と言います。

そして耕四郎は、同時にまっすぐに人を好きだと言える、彼女の純粋な気持ちを心の底から羨み、涙が溢れだす。
それを見た彼女は、そっと耕四郎の頭を撫でるのです。

観覧車から降りると2人の目の前に、1人の男が現れます。その男を見た2人は、それぞれにこう呼ぶのです―

「親父」「お父さん」

 

女子高生の名前は、小日向七夏。離婚して母親に引き取られた、耕四郎の実の妹だったのです。こうして偶然に再開した2人。
七夏の高校入学を機に2人は再び兄と妹として、一緒に住むことになります。

 

しかし、10年以上の空白は、耕四郎と七夏を普通の兄妹ではいさせてくれませんでした。

真っ向から描かれる近親相姦の描写に目を背けたくなる時もありますが、それでも最後まで見届けたくなるほど“好きになる気持ち”が強く伝わってきます。
公にできない関係は時にスパイスとなりますが、誰にも祝福をしてもらえない悲しさも秘めています。そして、いつの間にか耕四郎と七夏を応援してしまいたくなります。

兄と妹、そして男と女

兄と妹の恋愛を描いた作品は、これまでも数多くありました。しかし、『恋風』では血が繋がっていることをしっかりと明記し、さらに耕四郎をしっかりと“男”として描いている点が魅力です。

 

1巻で別れた元カノと再会するも、既に新しい彼氏ができた彼女は、サラッと、あっさり耕四郎にバイバイをつげます。
最後の性行為から3ヶ月近く経ち、淡い期待を抱いていたのは耕四郎だけでした。

元カノの気持ちの変化、そして期待していたにも関わらず叶わなかった性行為。耕四郎は、この2つのこともあり、脱衣所で七夏のブラを見つけ、性欲が弾け飛んでしまいます。彼は、七夏のブラを、手にとり匂いを嗅ぎ、あまつさえ自慰のネタにさえしてしまうのです。

 

実の妹の下着の匂いをを嗅ぐ、なんてことは、本来だったらあり得ないことではないでしょうか。
不完全燃焼で終ったところに下着が落ちていても、妹のものであれば理性が働くはず。しかし、耕四郎は抑えきれませんでした。

「お兄ちゃん」と呼び慕う七夏への耕四郎は汚い欲情。
男と女の関係であれば健全な気持ち欲望。

本作では、罪悪感と自己嫌悪に苛まれる、“男”の姿をしっかりと描いています。

幸せな未来を描けない関係

血の繋がった妹でなければ、未来は明るかったかもしれない。
その壁が、近親相姦を扱った作品の一番のスパイスです。
高1の七夏はともかく、28歳の耕四郎は立派な大人です。

 

理性があるはずの大人が15歳の少女に振り回される。
恋をしただけで理性が崩壊し、タブーに踏み込んでしまう「好き」という感情の影響力は計り知れません。
その大きな力は、たとえ踏み込んではいけない領域だと分かっていても、歯止めがきかなかったのです。

兄妹 近親相姦

好きになった相手が、たまたま妹・兄だった――。

ただそれだけの話です。2人は耕四郎として、七夏として、お互いを好きになっただけにすぎません。耕四郎と七夏は、感情のままに突っ走ることが許されない、茨の道を進んでいくのです。

 

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