御曾曾けいのログ

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コナンの作者がおくる年の差ラブストーリー『青山剛昌短編集』

名探偵コナン』の作者・青山剛昌の読みきり作品を集めた新装版『青山剛昌短編集』は、全1巻でさらっと読める漫画です。

探偵、SF、ラブコメなど『名探偵コナン』に通じる要素が見られる読み切りの数々。今回は、10編ある中から『ちょっとまってて』と、本作のアニメ版についてご紹介します。

青山剛昌のデビュー作『ちょっとまってて』

今作に収録された作品のひとつ『ちょっとまってて』は、青山剛昌のデビュー作となったラブコメ漫画です。本作では、タイムマシーンを巡って高校生の男女の恋愛が描かれています。

青山剛昌短編集 ちょっとまってて

高校1年生の若さでありながら、天才発明家として有名な高井豊は、2つ年上の彼女・阿部麻巳子との年齢差がコンプレックスで、その差を埋めるためにタイムマシーンを作ります。

2年前に飛んで麻巳子と同い年になることを目論むも、豊の目を盗んで麻巳子のほうがタイムマシーンを使って学校の屋上から飛んでしまい、未来に行ってしまうのです。

青山剛昌短編集 ちょっとまってて

2年後の10月24日14時42分13秒に麻巳子が帰ってくることが分かったものの、周囲の人間の記憶からは麻巳子の存在が消えていき、豊の記憶からも麻巳子が消えていきます。

やがて高校3年生となった豊には、友里という後輩ができます。

かつて豊が麻巳子のことを「先輩」と呼んだように、友里もまた豊のことを「先輩」と呼んで好意を寄せます。豊は、その響きに何か引っかかりを覚えるものの、思い出せずに毎日が過ぎていきます。

 

もし、豊がタイムマシーンを使って過去に行っていたとしても、過去の麻巳子が豊を好きになったのか?しかし、豊は麻巳子に『麻巳子のことを信じてる』と言いきったのです。しかし、そう言われたにも関わらず、麻巳子は、自身が未来へ行くことを選択しました。

 

年の差にコンプレックスを抱く彼氏の気持ちを汲み「待っててね……」と言い残して彼女のほうが未来に行く。この互いを信頼しあう関係性に、麻巳子のいない2年という月日の空白期間が加わったことによって、ラストをドラマティックにしています。

 

年齢差を気にする少年がタイムマシーンを発明し、それを年の差を埋めるために使うという初々しさが、たった30Pの短さとは思えないくらいメリハリのついた本作。推理とは無縁の作品ではあるものの、コナン好きも、青山作品を初めて読む人も楽しめます。

コナン好きならあわせて観たいOAD

青山剛昌短編集』はOAD*1)化されていて、『名探偵コナン』のアニメと同じスタッフが製作しています。そのため絵柄がコナンと同じ。声をあてている声優も、コナンに出演している人ばかりです。コナンのキャラクターがモブキャラクターとして登場もしているので、ファンにはたまらないサービスとなっています。

 

短編集のひとつ『さまよえる赤い蝶』の主人公は北方優作ですが、OADではコナンの父親・工藤優作が主人公となっています。

また『夜空に飛び立つ10個の惑星』はアニメ版オリジナル作品で、コナンの母親である工藤有希子が主人公です。コナンのスピンオフ的なアニメであり、原作漫画にはないストーリーは必見です。

 

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*1:OAD…オリジナルアニメDVDの略。テレビや劇場上映などをせずに、記録媒体やレンタルを主な販路として製作されるアニメーション作品。