こんにちは、御曾曾けいです。今回のテーマは「運転免許」です。
運転免許を合宿で取った私。初めての1人生活は、想像とは真逆でした。
楽しかった合宿、検定の結果は……
私が通っていた大学では2月~3月にかけて春休みとなります。2カ月近いロングバケーションは、大学生にとって好きなことが好きなだけできる自由な時間。当時大学2年生だった私は運転免許をとるために合宿に参加することにしました。せっかくの合宿だからと、私は他県の教習所で免許を取ることに。
生まれて初めての1人旅、しかも他県への滞在ということで私は有頂天でした。
期間は約2週間。食堂と漫画ルームがあり、室内にはテレビが置いてあったことから何不自由することなく合宿は進んでいきます。
口うるさい家族のいない空間とバイトのない日々は私に安らぎを与えてくれました。1人暮らしをするとホームシックにかかると聞いていたものの、一切そんな感情は抱かずに悠々自適に生活する私。
試験に落ちるとどんどん滞在期間が延びるのが合宿免許です。楽天的な性格から絶対に受かると思い込み、母親にも電話で楽勝だと言っていたので始末に負えません。
そんな私が受けた卒業検定の結果は……「不合格」
謎の自信は簡単に崩れ去りました。
ホームシックは弱っている時にかかる
自信満々に受かることを伝えていたため、恥ずかしさと情けなさで気持ちがいっぱいになったのですが、帰ることが遅れることを伝えておかないと母が心配してしまいます。
意を決しかけた電話。
母の声が聞こえた瞬間……安心感が広がり一気に涙があふれ出しました。
私は、泣きながら検定に落ちたことを伝えたのです。
しかし母は笑い飛ばし、何かいろいろと話してくれました。母の言葉は、全部耳をすり抜けていきましたが、たった数週間しか会っていないだけなのに、その声に懐かしさを感じ、思わず涙が溢れました。
当時19歳だった私は既に自分が大人だと思っていました。
合宿免許のお金は自分で支払い、1人生活も全然平気。
ところが、心が弱った時に突然ホームシックにかかったのです。
そこで初めて、1人暮らしの欠点に気付きました。
部屋に誰もいないということは、自分が弱った時に助けてもらえないということ。それを乗り越えられてはじめて1人暮らしができると言えるわけです。
母にいろいろと聞いてもらったことで心が晴れやかになった私は、気持ちを入れ替えて卒業検定に臨みます。緊張は1回目よりも大きかったですが、結果は合格。晴れて免許を取得できました。
合宿免許で初めてのホームシックを味わったことは私にとって貴重な経験となりました。
親の有難みを知り、後の1人暮らしではあらかじめ心の準備をした状態で引っ越しすることができました。自分がまだ子供なのだと実感できたことで、自分でも知らない一面を知ることができたのです。
わずか2週間ちょっとの旅でしたが、私が得られたものは大変大きかったです。
てっとり早く免許が取れることが合宿のメリットですが、1人生活の心細さを簡単に味わえる機会もメリットに含まれると思います。自分の中の発見ができる合宿。迷っている人は体験してみることをおススメします。